ネタバレと言えるかはビミョーですがラストの展開にちょこっと触れているので未読の方や映画をまだ観ていない方でそういうのが気になる方は読まないでください。
主人公は弁護士で、過去の依頼人から「事故で夫が死んだので絶縁してた夫の親族に連絡を取ったらなんと全くの別人だったことが発覚したので、死んだ夫が誰だったのかを調べてほしい」と頼まれて死んだ夫の正体を突き止めるというお話です。
ミステリーの形はしていますが、メインのテーマはどちらかというと「その人を定義するものは何か」とか「人は何を以って人を愛するのか」みたいなことでした。
そうして人のアイデンティティを探しているうちに主人公のアイデンティティまで揺らいでくるというすごい構造です。
ちなみに上記の疑問に対する答えはラストに主人公が依頼人に向けて言う言葉が全てだと思います。私もそう思う。それがいい。
ちなみに私はカズオ・イシグロの『忘れられた巨人』を思い出しながら読みました。
↓昔書いた感想です。
まぁ全然違う話なんですけど(笑)。