ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

2000年前後のアメリカン・ロックの世界/American modern rock around 2000s

最近年を取ってきたせいか、自分が中高生だったころに流行ってた歌を集めなおしてプレイリスト作ることにハマってます。
アイドルバージョンとかR&Bバージョンとか色々あるんですけど、アメリカン・モダン・ロックバージョンもあります。

で、作ってて思ったんですけど、この2000年前後のモダン・ロックって、やたらと深刻ぶってるものが多いんですよ。
マッチボックス・トゥウェンティーの"Bent"、ヴァーティカル・ホライズンの"Everything you want"、ニッケルバックの"You remind me"、インキュバスの"Drive"3ドアーズ・ダウンの"Criptnight"、パドル・オブ・マッドの"Blurry"、ステインドの"It's been a while"などなど、深刻そうな歌を上げればキリがない(上記には好きな歌もあれば特に思い入れのないものもあります)。
こういった曲がアイドルやR&Bと並行してヒットチャートの上位におりました。みんな重厚なサウンドで、重苦しい歌い方でやたら深刻そうな内容を歌っていました。あ、リンキン・パークの"In the end"なんかもこの系列ですね。色に例えるとマットなモスグリーンとかマットなネイビーブルーとか黒とかあんまり光を通さなさそうな感じ。1999年あたりからメインストリームで流行る曲が出るようになり、2001年の9月以降さらなる盛り上がりを見せました。

振り返って現代。2001年の9月を経験し、度重なる戦争も経験し、果てにはリーマン・ショックやらサブプライム問題も経験した現代。こんな重苦しい歌がチャートの上位に入ることはほとんどありません。どんなジャンルにもエレクトロ・サウンドの色を感じ、全体的にクリアカラーでカラフルで軽やかなものが好まれています。
ただ、聞いてて思うのは現代の音楽のほうがリアルに深刻な何かを抱えてるんじゃないかなぁってこと。明るいメロディでも、どっか影を落としてる部分があるっていうのですかね。なんつーの、2000年くらいの音楽からは、「問題に向き合ってやる! だから真剣に生きるんだ!」みたいな感じを受けるんです。その深刻ぶった感じからは幼さも感じますけど、それでも真剣にぶつかればどうにだってなるんだ! みたいな希望も感じるのです。
でも今の音楽は、諦めてる感じがする。諦めって言い方には語弊があるかもしれないけど、でもなんか変な悟りみたいのを開いてる感じがするってゆうか、ぶっちゃけ頑張っても意味ないよねー、できればみんなでいい感じに仲良くしてたいよね~あはは。みたいな感じってゆうか。少なくとも15年前に音楽界全体を覆っていたアメリカ的な「頑張れば絶対的な理想の世界が掴めるんだ」感がなくなりました。
日本では悟り世代って言葉がありますけど、アメリカの若者も悟り世代に入ってますよコレ。

あぁでもそうか、書いてて分かりましたけど、戦い方が変わったんだな。国がいろんな悪い時代を経て、強さだけではどうにもならないらしいことが分かってきたから、優しさとちょっとの諦めを武器に戦うことにしたんですね。

※すべては私の個人的な意見です。現実がどうかはよく知りません。