ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

【最愛・考察】2006年の事件で現在提示されていることまとめ

今まで『MIU404』、『天国と地獄』と考察してきて、2作品の結末に共通していたのは「意外とシンプル」な結末だったということです。作中で提示されていることの裏の意味を読んだり、ない意味を読んだりして結局自分の考察は全て明後日の方向に向かっていきました。

 

多分この『最愛』というドラマも考えすぎると変な方向に行ってしまうんだろうな、と思うので、シンプルに考えてみました。

あと、『Nのために』がそうだったように、一人一人の行動は大したことがなかったのに重なってしまって悲劇につながった部分があるんじゃないかなと思うので、そういう方向で考えています。

 

シンプルに、と言いつつ1個ちょっと思ってるややこしい話を。

ツイッターで「信頼できない語り手の話だったらやだな」というのがあって、要は語り手の主観によって事実誤認があるかもしれないという話なんですが、その要素はあるんじゃないかなと思います。

どこに、というと2006年の事件についてです。2021年の昭さんの件は、我々も優のカメラに映っていた映像そのものを観ています。でも、2006年の事件は「優のカメラの映像そのもの」は実は観ていません。ドラマで提示されているのは「優のカメラの映像を見ながら梨央が思い浮かべた出来事」です。

そこには「事実誤認」をする余地があるんだよな~

優の映像をこうやって分けたことにはなにか意味があるんじゃないかとか思っちゃいます。

 

さて、ややこしい話は置いといて、一応今分かっている(提示されている)ことだけを元に考えてみます。

 

 

2006年の事件

渡辺康介の死因は優が持ってたペグの一撃とそれによる失血性のショック死。康介自分でペグ抜いちゃってたし(余談ですが、もしも刃物がお腹などの体のヤバい部位に刺さったら絶対に抜いてはいけません。怖いし痛いかもだけど、抜くと血がどんどん流れて死にます。刺さったまま救急車を呼んで待ちましょう)。

達雄さんは帰宅して倒れた梨央と渡辺康介を発見。泣き叫ぶ優を抱きしめるシーンで後ろに人影があったのは間違いないので、この状況を誰かと共有したことは間違いない。

 

2人がかりで翌日の朝4時12分までに

①梨央を家に連れて帰り着替えさせて寝かせて

②旗やらなんやらを家で洗濯し

③康介の服を脱がせ遺体を富山まで運んで穴掘って埋めた。

これだけのことを全部終わらせたはずです。

この感じだと③は達雄さんで①②を後ろの人影がやったのかな。家担当と寮担当。

 

ただあの状況を見たら最初は「2人とも死んでる」って思いそうだし、梨央が生きてると分かったら「梨央がやっちゃった」と思いそう。優が「自分でやった」と言うか、何か証拠がないか探して優のカメラの映像を見たかしないと「優がやった」とはならないと思うんだよな。でも優は覚えてないだろうから「自分がやった」とは言えないはず。そしてカメラに映像が映っていたにしてもそれを残しておくのは意味不明。遺体を埋めに行ったりするんだからその映像も消すよね? この時点で達雄さんが事件についてどう思ってたかは不明。

誰か事件の目撃者がいたのかな。

 

あと、①②を達雄さんじゃない人がやったとして、相当信頼してる人じゃないと任せられないよね。

 

 

2006年の事件で何かを失った人

この事件をきっかけに色んな人が不幸のどん底に。

 

・梨央

自分が襲われそうになったことが原因で弟が人を殺して父がそれを隠ぺいして死体を処理したっぽくしかも父は死んでしまった。疎遠だった母に引き取られることに。

 

・優

姉を守ろうとして殺人を犯してしまった。自分は覚えてないけど。そして父は死んでしまい、姉とは離れ離れに。姉の実家に引き取られるも馴染めず、しかも諸々思い出して姉のそばにもいられなくなってしまう。

 

・達雄

自分の帰りが遅くなった日に子供たちが暴力沙汰に巻き込まれてしかも相手を殺してしまったっぽい。すべてを飲み込んで自分が罪を被り、病死か自殺か他殺かよく分からない感じで死亡。

 

 

渡辺康介とドラッグ絡みで直接人生が狂った人

実はドラッグのことと渡辺康介のレイプ事件が発覚したのが2007年4月のことで、2006年の事件と半年のタイムラグがあるんですよね。この辺は可能性があるとしたら

康介の被害者(橘さん)が、康介に暴行を受けたと名乗り出る→その捜査の過程で康介を始めとした白山大学関係者のドラッグ使用も分かった

じゃないかなと思います。

 

・橘しおり

恐らくレイプされたのが原因で大学を休学、両親が離婚。母方の姓に名前を変えて復学。康介について声を上げたのに無視された?

 

・青木さん

自分もドラッグをやっていたため大学中退。しかも康介にはレイプされ写真まで取られていたことが発覚。まぁこれで普通でいられるはずがない。

 

・長嶋君

とはいえ彼は自業自得で今は幸せそうなのであんまり関係ないかなと思います。

 

 

間接的に人生が狂った人

・大輝

陸上に打ち込んでいたのに陸上部は活動停止。最後の年に結果を残すようなことができなかった。東京の企業への就職が決まっていたのに内定取り消し。

 

・藤井

陸上に打ち込んでいてこれからと言うところだったのに陸上部活動停止。夢など壊れる。

その他駅伝部のメンバーも同じく。

 

 

さらにその狂った人生のせいで割を食った人

・政信

梨央が真田家の人間として戻ってきた上に優秀だったため跡取りとしての地位を奪われる。真田家に梨央が来なければこんなことには……。

 

・ミッチー

真田ウェルネスの次期社長になるはずだったのに梨央にその座を奪われる。真田家に梨央が来なければこんなことには……。

 

 

長くなったのでこの辺で!