ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

Twitterのおかげで気づいた魑魅魍魎

ツイッターの世界で「結婚したことない人が結婚のダメポイントをあげつらって「独身最高!」と言っている」のをよく見かけて、「なぜ経験したことのないことをここまでディスれるのだ……」といつも疑問に思っていました。

や、別に、生涯独身でいることが悪いことだとは思わないし、既婚者のほうが人間的に優れてるとかは思わないんですよ。誰かに「結婚しろ!」と押し付けられたことに対して怒っているのであればそれもよく分るんです。人にはいろんな事情があるわけだし、そんなの個人の自由なんだからほっとけよ、っていう。

よく分らないのは「別に誰に結婚を強制されたわけでもないのに一方的に結婚を執拗にディスる、生まれてから現在に至るまで独身の人」の存在です。

そういう人の主張を見ていると大体「だって結婚したらお金も時間も自由に使えなくなるじゃん。嫁と子供に搾取されてさ。」みたいなことを言っています。で、これって、決定的に「自分」しか存在していない視点の話ですよね。

結婚してよかったと思っている人はそもそも「妻や子供」に時間や労力を割くことを「一方的に自分が搾取されている」とは思ってない人なわけです。つまり「自分が妻や子供に時間や労力を割いている分、妻や子供も自分のために時間や労力を割いてくれている」と思えている人。
そもそも「自分は結婚してよかったと思う」と言っている人は、普通に考えて「独身の状態と既婚の状態」をどっちも経験した上で「結婚してよかった」と言っているはずなのでね。

だから、「自分が結婚することを強制されない、結婚していないことで差別されない世界」を望むのであれば、「自分も結婚という制度を否定しない・結婚を楽しんでいる人を「本当は辛い癖に無理してるんだ」などと喚かない」ことが重要だと思うのですが、なぜだか自分の主張に相手への否定を含めてしまう人が結構いるのですよね。
これも「自分以外の価値観は認めていない」ことが現れているなぁと思います。

結婚することにより自分だけが自由を制限されると思っている人の世界には他者は存在しないのだなぁと考えると、確かに彼らは結婚には向いていないし、結婚しちゃだめだと思います。たぶん奥さんと共働きでも家事育児を手伝わず、その上で「俺は結婚してから自由がなくなった! 不幸だ!」とわめくタイプなので……。

まぁ要は「自分が経験したことがないことを執拗にディスる人」には近づいちゃいかんってことですね。この手の人とは「話せば分かりあえる」なんてことは絶対にない。だって相手の世界には「他者」が存在していないから。
もうちょっと話を大きくすると「女として生きたことがないのに「女は楽してる!」」と騒ぐ男、「男として生きたことがないのに「男は楽してる!」」と騒ぐ女、どっちもこの手合いですね。くわばらくわばら。