シーアはかなりたくさんのアーティストに曲を提供し、ヒットもさせています。同郷のよしみかカイリー・ミノーグの2014年のアルバム、”Kiss me once” にもソングライターとして何曲か参加しています。
カイリー様のすごいところは、その時代その時代でホットなソングライターと組んでいるのですが、絶妙に「メジャー過ぎない」ところを選んでいる点です。過去にはグレッグ・カースティンとも組んでイギリスで大ヒットを記録していますが、彼が今ほどあっちこっちに出没する前の話ですし、そのほかカルヴィン・ハリスが今ほど大衆化する前(デビューしたてくらいの頃)にソングライターとして起用しています(そして大ヒット)。
1. Butterfly
大好きな一曲です。2000年のアルバム “Light years” に収録されていて、アメリカのダンスチャートでヒットしました。そもそもがアルバムのプロモーショナル・シングルとして発表され、クラブ・ミュージックという、アルバムの明確な方向性が示された曲でもありました(元々ディスコ的な要素のあるアーティストでしたが、当時のカイリーは低迷期にありがちな迷走をしていました)。
ソングライターはカイリーとスティーヴ・アンダーソン。アンダーソンさんはカイリーとはとても長い付き合いのソングライターで、カイリーとは1994年のアルバム “Kylie Minogue” からの中です。プロデューサーはマーク・ピチオッティというイタリア系アメリカ人のDJです。このアレンジが大好きなので、ピチオッティさんの功績は大きいです。
2. Spinning around
アルバム “Light years” からのファースト・シングルで、1994年以降プチ低迷期を迎えていたカイリーが完全カムバックを果たした作品です。2000年に全英最高1位を記録しています。
ソングライティングにはなんとポーラ・アブドゥルも関わっています。と、言うかそもそもポーラ・アブドゥルのカムバック・シングルになるはずだったそうです(ポーラがテレビ番組の司会者になったために音楽業界への復帰はなくなった模様)。
でもカイリーが歌って正解だったんじゃないかな?
3. Confide in me
低迷期に入る前のカイリーのヒット曲です。1994年に全英最高2位を記録。
この曲が発表される少し前に、それまでのプロデューサー・チームに管理されることを窮屈に感じていたカイリーはレコード会社を移籍しました。そしてこの辺からスティーヴ・アンダーソンと組むようになったようです。
それまでの元気いっぱいディスコ・アイドル路線から、同じくクラブ・ミュージックではありつつ、一気に大人路線に舵を切ったこの曲は評論家受けも一般受けもよく、ヒットを記録しました。
4. Love at first sight
2001年のアルバム、”Fever” からのシングルで、全英最高2位、全米最高23位を記録しました。
彼氏とラブラブって曲で、幸せいっぱいです。一目ぼれしたんだそうです。
ソングライティング、プロデュース共にビフコ(Biffco)というチームが行っています。
特にメンバーの1人であるリチャード・スタナードはイギリスのポップ・ミュージック界では結構たくさんのヒットソングに関わっているようです。スパイス・ガールズの “Wannabe” を初めとしたヒット曲や、新しいところではエリー・ゴールディングさんの “Lights” や、リトル・ミックスの “Change your life” なんかにも関わっているようです。
5. Turn it into love
この曲に関して言うと、恐らく日本以外での知名度はあまりなく、なおかつ日本でも「カイリー・ミノーグの “Turn it into love” という曲」としてではなく、「ウィンクの『愛が止まらない』という曲」として知られていることでしょう。
私にとっては「カ、カイリー・ミノーグってこんなに歌が上手いのか……!」という衝撃を受けた歌です。クラブ系の抑えた歌い方のカイリーしか聞いたことがなかった頃なので、こんな風に歌い上げることもできるんだと驚きました。
ひとこと言わせて下さい。5曲じゃ足りない!
ホントはカイリー最大のヒット曲の一つ ”Can’t get you out of my head” とか、もっと思いっきり大ヒット曲の “The loco-motion” とか、比較的最近の “Wow” とか、 単にすごく好きなだけの “Slow”、“Fever” も入れたかったです!