ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

カズオ・イシグロ文化勲章受章ならず / カズオ・イシグロと日本語


こちらのニュースでカズオ・イシグロが今年の文化勲章受章者の中に含まれていないことが紹介されています。まぁ文化勲章よりKBEでしょう!

で、コメント欄を見ると「カズオ・イシグロは日本語喋れない」とおっしゃってる方が結構多いのですが、カズオ・イシグロは日本語話せますよ。
プラス、一応イギリスでもカズオ・イシグロは英語ネイティブの作家ではない、という認識をされています。言語習得には生まれてからの3年が大事って言いますしね。5歳で渡英しているので、やはりネイティブとは少し違うはずです。

本人も何度かは言及していますが、少なくともご両親とはずっと日本語で会話していて、お母様は今もご存命なので、日本語を話す機会もまだあると思います。
さいころは「日本語訳された」シャーロック・ホームズなどをお母さんが読み聞かせてくれていたそうですし。そもそも一家の当初の予定では2~3年で日本に帰国するはずだったので、日本語があまりにも話せなくなるようには教育しなかったはずです。日本に戻って学校で日本語が話せないと困りますからね。ただ、なぜか気づいたらずっとイギリスで生活するようになっていて、その結果学校などで日本語教育を受けることなく大人になっているので、大人が話すような日本語が話せない(子供が親にしゃべるようにしか話せない)ので、あえて外では話さないようにしているのです。

と、なんとなくなんとなく、強く言いたくなってしまいました。
ちなみにこれは、ご本人が何かのインタビューでおっしゃっていたことです。

あ、もちろん彼が自分で英国籍を選択したイギリス人であることにはなんの異論もありませんし、見た目的にもやっぱりずっと日本で育ってきた人とはずいぶん雰囲気が違うよねと思いますが。

日本語は、しゃべれるよ。