ドラマ化もされたし映画にもなったので、たぶん大抵の人がまずは『わたしを離さないで』を手に取るかと思いますので、それ以外のものをおすすめいたします。
『日の名残り』
『忘れられた巨人』
『夜想曲集』
が読みやすいと思います。
逆に
『わたしたちが孤児だったころ』
はあまりおすすめしません。面白いんですが、これから入ると「なんかよく分かんない本を書く人」という印象を持ってしまう可能性があります。
『充たされざる者』
は、唯一読んでいないカズオ・イシグロ作品なのですが、これは上記の『わたしたちが孤児だったころ』よりさらに難解なようなので(そしてカズオ・イシグロ作品の中で一番長い)、この2作品はカズオ・イシグロを好きになってから読めばよろしいかと思われます。
実際のところ、カズオ・イシグロは初期2作品(『遠い山なみの光』と『浮世の画家』)を除いては、本を出す度にルールもテーマも作風もガラッと変えてくる人なので、この2作品が肌に合わなかったとしても他の本のどれかなら行ける可能性があります。一応、読みやすいやつから入ってカズオ・イシグロを好きになってもらえたらな~という、ファンのいらん老婆心です!
逆に私がおすすめした奴は合わなかったけど、おすすめじゃない方の2冊はめっちゃハマった! って人もいるかと思います。
それくらい作品に幅があるのです。
私は『充たされざる者』、読まなきゃな!
ところで『わたしを離さないで』は日本国内でも50万部近く売れていると知り、ビックリしました。『忘れられた巨人』が本国で発売されてからたった4ヶ月で日本でも出版されてるので、日本でも売れてるのは分かっていたのですがそこまでとは……!