ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

『SHERLOCK / シャーロック 忌まわしき花嫁』ネタバレ感想

観てきましたよ!

もしもドラマシリーズをまだ観たことがなくて、この作品を観に行こうかなと思ってる人がいらっしゃれば、今すぐドラマ全9話をコンプリートしてください。それから観ないと「???」状態だと思います。実際、私の後ろで観ていたカップルの彼氏さんの方が観終わってから「俺、これ全然観てないわ。ワケわからんかった」的なことを言っていて、話を聞いている感じではどうもロバート・ダウニー・Jr./ ガイ・リッチー版のシャーロック・ホームズの新作だと思って来てしまった模様。「家に帰ってDVD観返したら思い出すかも!」って言ってたけど、そっち観てもなにも思い出せないと思うよ。

独立した作品というよりかは、シリーズ3とシリーズ4の繋ぎ的な意味合いの強い作品だったと感じています。とにかく! ドラマをまずは全部観てください。

以下、ドラマシリーズ全9話の分もネタバレしてますから、ネタバレ絶対に嫌な人はお帰りくださいな。




































キャストはそのままで時代だけビクトリア朝時代に戻った今回のシャーロック。
自殺したはずのリコレッティ夫人がモルグから蘇って夫を殺害したという事件を発端に、どんどん世の中の夫たちがブチ殺されてゆき、更には最初の事件で死んでたはずのリコレッティ夫人がどこぞの金持ちのおっさんに殺害予告をするという(『オレンジの種5つ』が元になったと思われる)事件が軸になっていました。
まぁ事件の真相云々は割とどうでもよくて、実は全部「自殺したはずのモリちゃん先生がどうやって蘇ってきたのか」をラリった頭で考えているシャーロックの脳内での出来事でした! ってゆうオチ、というか、とにかくシリーズ4がどういうテーマになるのか、を示す回だったというか……。
なんかねー、まとまり悪かったね! 夢と現実が交錯する系の映画を観慣れてないとワケわかんなくなったりするかも。あれ? 結局どっちが現実なの? みたいなやつ(その手の映画で嫌いなのは、白黒はっきりつけずに終わるやつです。シャーロックに関しては、どっちが現実なのか明確だからそこまではイラつかなかったけど、いったり来たりが増えるとちょっとキツかったです。好みの問題ですけどね~)。
シャーロックはリコレッティ夫人事件の解決寸前で一回現実に戻ってくるんだけど、もうちょっとで解決出来るから! と夢の世界に戻ってしまい、そこから展開的にどっちが夢なのよ! みたいな状態が続くんですよね。ちょっとだけイラッときましたね。
リコレッティ夫人事件を解決したと思ったら、今度は自分の心の中にいるモリちゃん先生(たぶん、シャロの心の中のモリちゃん先生はシャーロックの抱える恐怖が形になったものなんでしょうね。変なガスを吸わされたとき、撃たれて瀕死の状態のとき、ドラッグでラリってるとき、とシャロが心身共に危機的状態のときに登場してます)に翻弄されちゃったりしましたが、最終的にはライヘンバッハの滝でジョンに助けてもらって夢の中のモリちゃん先生との対決には勝てました。ジョン、銃を向けてたのに結局蹴り落としてましたね。

とにかく、昔あった似たような事件を解決すれば目の前で自殺したはずなのになぜか復活してきたモリちゃん先生のことも解決できるんじゃないかと、そういうことのようです。

そんでシャロは依存症再発のようです。
お兄が妙にストレートにシャロへの愛情(?)を示していて、やや不気味でした! お兄、シャロをどこで見つけても対応できるように、シャロに何を摂取したかメモさせてたんだって! なんだよそれ! 弟想いかよ!
まぁ、シリーズ3から弟ラブな感じをあんまり隠さなくなってきてましたけどね! ラースを撃ち殺して泣いてるシャロを見る目とかね。うん。
お兄は「私のせいだ……(シャーロックが依存症になったのは、が省略されてるんだと私は解釈しましたが、実際はどうなんだろう)」とか言ってましたけど、そしてお兄のメモを見る限り、どうも発端は赤ひげたんのことらしいんですが……。
なんなんだろうね。お兄が何か意地悪をした結果赤ひげたんが殺処分されちゃって、それにショックを受けすぎたシャーロックが薬物乱用始めたとか?
とはいえ、あの赤ひげたんをヨシヨシしてたチビシャロ、ホントにちびっこだったし、いくらイギリスが日本よりもドラッグを入手しやすいとはいえ、アッパーミドルの家庭であの年齢で……ってのはちょっと考えづらいですよね。最初はおうちにあった睡眠薬か風邪薬かを大量に飲んだとか、そういったことが依存症の発端になったとか、考えられることはいくらでもありますけどもね。

ただ、本編終了後モファティスさんズの会話で、「お兄はシャロに優しさなんて無益だ的なことを教え込んできて、シャロは素直にそれに従ったけどどこか納得してない部分を抱えて生きてる(こんな文章ではなかったけど、こんな意味合いのこと」みたいな話が出てきたから、シリーズ4ではホームズボーイズの関係のナイーブな面に焦点が当たるのでしょう。モファティスさんたちもそんなこと言ってたしね!
3-3でお兄が言ってた "The other one" の謎も解けるのかな(それが赤ひげたんのことだったら笑うけど)?



以下、キャラに関することなどです。

最初にモファットさんが裏話的なことをしてくれて、あれもこれも、原作の熱心なファンはきっと分かってくれるよね! 的なことを言うのですが、ナイフを刺した手紙の束のところのコメント最高でした。ここ注意しててください!

今回私が気になっていたのは、モリーちゃんがどうなるのかということ。
キャストにはちゃんといるし、でも19世紀に女性があの仕事に就いてることはありえないし、どんなキャラクターとして出てるのかすごく気になってたんです。
それが! まさか! 男装してモルグで働いてるとは! しかもイケメンだった! てゆうか可愛かった! も え る わー!
ジョンには見抜かれてるとこもいいね。

お兄……確かに太ってる設定のキャラだけど、現代版ではダイエットに成功して痩せてるのに……美味しそうにプラムプディング食べてたね。プラムプディングって、イギリスのお話なんかを読んでると、とにかくおいしい特別な日のお菓子として出てくるから、昔から一回食べてみたいのよね。