ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

なんだかおかしな物語 / ボクの人生を変えた5日間

ネタバレしています。






















タイトルが二つあるように見えますが、同じ映画につけられた別々の邦題です。『なんだか~』の方がWOWOW、『ボクの~』がスター・チャンネルで放送された際のタイトル。
原題に近いのは『なんだかおかしな物語』の方です。この物語が持っているちょっととぼけた感じは本当に『なんだかおかしな』感じなので、こっちの方が絶対に合ってると思います。





いい映画でした。感傷的じゃない。感傷はあってもそれで人を感動させようとか、泣かせようとかゆう意図が全く感じられなかった点に好感を持ちました。説教臭いこと言う奴もいないし、教訓めいたエピソードも出てこないし。
世界が嫌らしくなく不完全に描かれているから、「あぁそうだよなぁ、生きてるってそんな感じだよなぁ」としみじみ実感させてくれます。

でも音楽セラピーのシーンはそのバランスを崩していたように思います。

フレディ・マーキュリーデヴィッド・ボウイの完成された音楽は美しいけれど、この映画には合わない。あの『アンダー・プレッシャー』は出だしのガチャガチャした不協和音気味の滅茶苦茶な感じで流すべきだったと思います。不完全で汚くて、でも今まで誰も聞いたことのない、すごくワクワクする『アンダー・プレッシャー』になったはず。完成形はクイーンかボウイのアルバムで聞きゃあいいのよ。


そこ以外は本当によかったと思います。エピソードの分量も程よくて、欲求不満にも消化不良にもならなかったし。ソフト化されていないので、観れる人が限られているのが非常に残念です。もったいないよ~



でもごめん、実はエンドクレジットが出るまで、ザック・ガリフィアナキスを自殺させるとゆうサイテーのオチにするんじゃないかと疑っていました(だってお別れのシーンで彼にビミョーな表情させるんだもん!)。ホントに見くびっててごめんなさい。これから先、この監督コンビの映画は信頼して観ることにします。







ところでザック・ガリフィアナキスは『ハングオーバー』以降ちょっと精神に問題のある人の役ばっかりやってますが、『トゥルー・コーリング』でやってたみたいな、「気のいいクマちゃん」路線に戻ってもらいたいです。あんまアクの強い役ばっかやってると寿命が短くなっちゃうからさ~これから3年くらいは今回の役を限界ラインにしてくれ!