ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ネタバレ感想

映画館で観て本当によかった!
 
劇場も音量を大きめにしてくれていて最高でした(その昔、三宮のOSシネマで『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』を観たときはあんまりにも音量が小さくてショックを受けました)。
 
ラストの『ライブ・エイド』再現シーンは正直立って観たかったよね! みんなで立って合唱してジャンプしてってしたかったよね! ライブ好きな人間としてはさ!
 
一応フレディの物語ではあるのですが、フレディの口から実際どうだったのかを聞けるわけでもなく、完全な伝記映画とは言えないかと思います。時系列もところどころいじってあったし、ジム・ハットンさんとの出会い方も違ったし、揉めたときに他のメンバーが実際どうだったかも描かれてはいないですし(とはいえ2時間という制約上限界もありますよね)。これ、全78回のドラマシリーズにしてもそれなりに受けるんじゃないかなぁと思いました。その場合、名曲作るシーンも増やして、各メンバーの書き込みも深くして。
ただまぁ史実と違うとかは比較的どうでもいいというか、この映画が若い世代のクイーンへの入り口になれば嬉しいですし、娯楽映画としてはこれくらいでピッタリだったと思います。
 
元々はサシャ・バロン・コーエンがフレディ役に決まっていましたが、制作側と方向性が合わずに降板。彼はもっと大人向けのシリアスな映画にしたかったみたいですが、これ以上シリアスにしたらここまでの成功はしなかったでしょうね。映画としての完成度は高くなったかもしれないけど。見た目はラミ・マレックよりもサシャ・バロン・コーエンの方が似てますね。でもフレディの雰囲気にはラミ・マレックの方が似てるかな。可愛げがあるっていうか。コーエンさんだとちょっと本当に嫌な奴にしか見えなくなりそう。ラミ・マレックさんは「嫌な奴だけど悲しみや孤独を抱えていて、なんか憎めないフレディ」を無理なく演じてらっしゃったなぁと思います。
 
そして、それよりなにより、あまりにシリアスなのはクイーンのカラーに合わないというか、だからこそブライアン・メイロジャー・テイラーはシリアス路線に反対したんでしょう。実際のところ、フレディの抱えていた問題は相当にシリアスなものだったはずですが、それを表に出すことを好まなかったのもまたフレディなわけで。
華麗で楽しいのがクイーンの世界。だから、この映画はこれくらいのシリアスさで丁度良かったかと思います。
 
キャストの皆さんは最高でしたね。ブライアン・メイはマジでそっくりだったし、ロジャー・テイラーめっちゃかわいかったし、ジョン・ディーコンは結婚してくれ! って感じ!
あと、途中退場しちゃいましたけど、エイダン・ギレンが好きなのでこんな大きな映画で顔が観れて嬉しかったです。もうちょっと小汚いエイダンの方が好きだけど! そして、マイク・マイヤーズ……彼って分かんなかったよ! あと、ボブ・ゲルドフ役の俳優さんも良く似てる人を探してきてましたね!
 
ちなみに、映画の中でフレディがブライアンに対して「俺がいなきゃお前は退屈な天体物理学博士になってたじゃないか!」って言ってましたが、ブライアンは実際に10年ほど前(60歳の時ですよ!)に博士論文を書き上げて、現在は天体物理学博士になっています。しかもインペリアル・カレッジ・ロンドン(総合評価で世界トップ10に常に入っている大学)。天才ってなんでこう何でもできるのか。