ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

ビッグ・リトル・ライズ 第七話『お祭り騒ぎ』 ネタバレ感想

原作はリアーン・モリアーティというオーストラリアの小説家の作品です。
女性が書いたお話! って感じでしたね。男性ならこんな風にはしないと思う。なぜか「女同士はドロドロして仲が悪い」って思いたがる人が多いですから。本当の所はこのお話みたいな感じじゃないかな。
 
 
これから思いっきりネタバレしますよ。
 
 
やっぱりイジメの犯人はセレステの双子の片割れでしたね。
ちびっこ同士で友達を守ろうとして何も言わなかったジギー。カッコいいね。そしてちゃんとママに言えてよかったね。こういうのって、一人で抱えるとたいてい悲劇的な展開になるから。
ジェーンの対応はやっぱりすごくて、ことを荒立てないように、冷静に。まずはマデリンに相談します。マデリンに相談すんのヤバくね? と思わなくもないですが、マデリンもこの話を聞いてすぐに首を突っ込むほど馬鹿じゃなかったというか。犯人が親友のセレステの子供だってこともあるんでしょうけど、意外と冷静な反応。ジェーンが落ち着いた態度でセレステを責める感じじゃなかったのも良かったんでしょう。それにアビゲイルとの一件があったりしてちょっと変わったのもあるんでしょうかね。
しかしレナータとジェーンの関係は本当にいいものになりましたね。レナータに怪我をさせてしまったことで、レナータの夫から「妻に近づくな!」とか言われましたが、当のレナータは「ママ友って誰も信用できないけどジェーンだけは信用できる」と言っています。確かに、ジェーンは信頼できる人間だよね。
そしてさらにレナータの夫に怒鳴られたジェーンを助けたのはゲイのはずのカフェマスター、トム。実はゲイじゃなくて、ずっとジェーンのことをいいなと思っていた模様。二人は資金集めのパーティに一緒に行くことになります。これからお付き合いも始まるんだろうね!
 
そして死んだのはライトさんちの暴力夫・ペリーさんでした!
しかし、犯人は全く予想してなかった……。
 
まず、ジェーンから実は双子の片割れ(マックス)がイジメの犯人だったと聞かされて大ショックのセレステ。でも、自分が夫からされていることを考えれば納得するほかなく、本気でペリーと離婚することを考え始めます。
しかもセレステ、もう次は殺されるところまで来てます。せっかく見つけた新しい家のことが簡単にペリーにバレてしまいマジでピンチですよ。不動産屋に事情を伝えておけばこんなことにはならなかっただろうけど、そんなこと見ず知らずの人に話すのは難しいよね。特にセレステの場合。
で、資金集めのパーティーに出かける直前に家のことがバレ、会場へ向かう車中ではペリーが泣き落とし作戦に出ます。
でも全く応じないセレステ。「絶対離婚したくない! 変わるから!」と騒ぐペリーに実はイジメの犯人がマックスで、それは自分たちのせいだと伝えます。
あ、こりゃヤバイ、と思ったところでママ友が偶然声をかけてくれてなんとか車を降りたセレステ。群衆に紛れたセレステを探すペリー。恐怖!
セレステは『マイ・フェア・レディ』のイライザのコスプレをしたレナータと偶然遭遇。そこでアマベラいじめの犯人が自分の息子だったことを伝えます。
 
一方のパーティ会場中心部ではこれまたイライザのコスプレをしたボニーがセクシーに歌い、会場を沸かせています。
ボニー役のゾーイ・クラヴィッツは名前からも分かるようにレニー・クラヴィッツの娘ですが、お母さんであるリサ・ボネットも魅力のある女優さんです。そしてアンニュイな感じの歌声も素敵な人です。2000年の映画『ハイ・フィデリティ』では、ママのリサ・ボネットがボヘミアンな歌手・マリー役をやってました。今改めて『ハイ・フィデリティ』を映画化するなら、マリー役はやっぱりゾーイ・クラヴィッツでしょうな。
ボニーが歌った後はマデリンの夫・エドが妻に向って渾身のラブ・ソングを披露。そのまっすぐな愛にいたたまれなくなったマデリンは会場を飛び出します。
ジェーンはマデリンを探しに会場を後に……。
 
エドが歌い終わったら今度はネイサンがこれまた極上の喉を披露。みんな歌うまいねぇ。
歌っているネイサンを見つめるボニー。でもその時、ボニーの目の端に何かきな臭い感じで口論をするセレステとペリーが引っ掛かります。
逃げるセレステと興奮した様子で追いかけるペリー。セレステはベビーシッターに電話して子供を非難させるように指示します。ボニーは二人の様子が気になったらしく、後をつけます。
マデリンがよく通行禁止のテープを破りながら登っていた階段の上の踊り場でマデリンは泣いていました。泣いているマデリンを優しく慰めるジェーン。
そこにレナータがやって来て、ジェーンに今までの非礼を詫びます。ここでも決して尊大にならないジェーンって一番若いのに一番大人。マデリンは最初こそレナータに憎まれ口を叩いていましたが、泣き上戸らしくそのままレナータに泣きながらごめんねを連発。
そこへペリーから逃げてきたセレステがやって来て、女たちはすでに絆が出来上がりつつある雰囲気。間もなくそこにペリーが追いつき、ペリーを見たジェーンは驚愕の表情を浮かべます。ジェーンの表情を見て、マデリンとセレステもペリーがレイプ犯だと気づいたようです。やっぱりジェーンをレイプしたのはペリーだったんですね。しかも当のペリーはジェーンのことなどみじんも覚えていない様子。ペリーはジェーンのことなど気にせずに人目もはばからずセレステに暴行を加えます。女たちみんなで止めようとしますが、かなり大柄なペリーに手も足も出ません。しかも切れてるから力も強いしね。
 
そして、そんなペリーに運命の一撃を加えたのはなんとボニーでした。
 
セレステとペリーの様子が気になって二人を追いかけたボニーは、暴れまわるペリーを見つけて階段の上からペリーを突き落としたのです。落っこちたペリーさんは首に何かが刺さって死亡。
 
で、みんなを助けたボニーを守るために、みんなで口裏を合わせてウソをつきます。
この一件以降、マデリン・セレステ・ジェーン・レナータ・ボニーは固いきずなで結ばれた母親同士になります。
女ってこういう時の結束めちゃくちゃ固いからね。
 
そしてペリーってマジでクズ野郎だったんですね。ジギーと双子が同い年ってことは、セレステという妻がありながら、わざわざレイプするためにナンパまでしていたわけですから。
で、ちょっとよく分からないのがなんでボニーがあそこまでセレステとペリーの様子を気にしたのかってとこなんですよね。いままでボニーとセレステってそんなに交流を持っていたわけでもないし、当然ペリーの暴力の話なんてしてないわけだし。
ボニーもペリーの被害者になったことがあるのかなとかちょっと勘ぐっちゃいます。セカンド・シーズンも制作が決定したみたいだし、そこで何か描かれるのかな。
 
ところでめちゃくちゃ蛇足ですが、上で『ハイ・フィデリティ』のことを書きましたが、『ハイ・フィデリティ』の原作者のニック・ホーンビィリース・ウィザースプーンがアカデミー主演女優賞にノミネートされた映画『わたしに会うまでの1600キロ』の脚本を書いていて、さらにこの映画の監督はこのドラマの監督であるジャン=マルク・ヴァレです。誰がどこでどうつながってるかって面白いですね。