バレエのリハーサルの場でネルというバレリーナの切断された遺体が発見されるところからスタートします。
ネルの死因は体を切断されたことではなく、喉をナイフで切られたことでした。
そのナイフの持ち主は世界的なプリマドンナ、アイリスで、この舞台の主役でした。
死亡したネルが当初この舞台の主演になる予定でしたが、結局世界的なプリマドンナであるアイリスが主演に選ばれたという経緯もあり、若いネルに驚異を感じたアイリスがネルを殺害したのでは……?
という方向で捜査は進みます。
が、シャーロックだけは「アイリスほどの才能がある人は他人を殺そうなんて思わない。俺も他の探偵を殺そうとは思わないし」と、真犯人は別にいると睨んで捜査を進めます。
そのうちに、実はアイリスとネルが付き合っていたことが分かります。最初は若い芽を早いうちに摘んでしまう目的でネルを誘惑したアイリスでしたが、付き合っているうちにネルに本気になってしまった模様。
で、真犯人の動機は「……そんな理由で人を殺す!? そんなバカな」って感じのものでした。
最初に近づいたときに邪な魂胆があったことがネルにバレ、振られそうになったアイリスはネルの留守電に結構キツめのメッセージを残します。
当然ながらネルは自分の弁護士(アイリスの弁護士でもある)にそのことを相談します。で、留守電の内容を聞いた弁護士(二流)が、何を思ったか
「ネルを殺して疑いの目をアイリスに向けて、僕たんがアイリスを弁護してアイリスを無罪にすれば僕たんも一流弁護士の仲間入り!」
ということでネルを殺したのでした。
そんなことで人殺す!? リスキー過ぎじゃね?
って、シャーロックにも言われてましたね。
一方のジョーンは一人のホームレスを探していました。彼はある夜、何者かに拉致された模様。
ホームレス探しに入れ込んでいる様子のジョーンにシャーロックが「なぜそこまでする?」と問いかけます。
実はジョーンの実父は統合失調症で今はホームレスとなっているのでした。
ニューヨークのどこかにいる父のため、ジョーンはずっとホームレス支援を続けているのでした。
時々会えるようですが、病気のせいでジョーンのことが分かったり分からなかったり……入院を勧めたりもしたけれど断られ続け、説得も諦めてしまったと。
人を助けるのは本当に難しいことで……って、このドラマの感想を書くとなぜかいつもこうなりますか、本当に難しいのですよね。そういう困難を抱えた人がよく登場するからでしょうけど。
ジョーンのパパのことにしても、結局入院して治療を頑張らなければいけないのは本人だから。統合失調症は薬を飲めばある程度の原核や幻聴は抑えられるようですが、それでも大変なことに違いはないですからね。薬には副作用もあります。
ラストシーンの、毛布を抱えたシャーロックの優しさは良かったですね。ジョーンのパパがいる訳じゃないけど、身近なところを支援することが、そのうち大切な人の大切な人へ届けば。
シャーロックもホントに優しくなりましたね。