ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

オール・セインツの好きな曲トップ5

リアム・ギャラガーは、交際期間も含めると14年間オール・セインツのニコール・アップルトンと一緒にいました。どう考えてもリアムはオール・セインツの音楽は聞かなかったでしょうが、リアムの浮気によってできた子供の存在が発覚するまではそこそこ仲良くやっていたようなので、相手の音楽性と結婚生活は別なのでしょう。
 
スパイス・ガールズの全盛期に登場したガールズ・グループで、スパイス・ガールズほどではないにしてもかなりの成功を収めたグループです。2001年に一度解散しましたが、2006年に再結成、この時はあまりアルバムが成功せず(シングルはそこそこ売れましたが)、2009年にもう一度解散。さらに2013年にバックストリート・ボーイズの全英ツアーのオープニング・アクトとして再結成し、昨年アルバム “Red flag” を発表しました。
 
スパイス・ガールズが「元気いっぱいみんなのアイドル!」系のグループだったとすると、オール・セインツはちょっと気だるくて、思春期の女の子の陰の部分にヒットするタイプのグループでした。
曲も自分たちで作っていたりします。ヒットしたシングルは全部メンバーであるシャズネが作ってます(カバー曲は除きます)。R&Bとエレクトロとソウルをミックスさせてちょっとだけダンス・ポップを混ぜたような音楽で、アイドルグループの曲だけど聞くなら夜かな。って感じです。
スパイス・ガールズにあったある種のイモっぽさが(※注:そのイモっぽさこそがスパイス・ガールズの魅力でもあるわけで、スーパースターとしてはスパイス・ガールズの方が数段格上だと思います)オール・セインツにはなく、ひらすらクールな印象。さらに歌い方、というかハーモニーの作り方ににかなりクセがあり、スパイス・ガールズと比べてかなり好き嫌いが別れた思います。
 
今回はそんなオール・セインツのトップ5です。
 
1. Pure shores
2000年の映画、『ザ・ビーチ』の主題歌で、この年大ヒットしました。オール・セインツのメンバーのシャズネとウィリアム・オービット(当時全盛期でした)の共作・プロデュース曲です。全英最高1位を記録。年間チャートでも2位だったので、本当にその年の音楽でした。
同じくウィリアム・オービットがプロデュースしたマドンナの “Frozen” と同じタイプの曲で、どこか空気の冷たさと静けさを感じる曲です。泡が上昇していく様子を音にするとこんな感じだろうな……と聞こえる部分が散らばっているので、この曲を聞いていると水の中にいるような気分になります。
歌詞は希望があるというか、水の中にはいるけど溺れているわけではなく「私」が「あなた」を引っ張り上げる系の歌に感じます。ただ、この「あなた」が誰なのかはよくわかりません。恋人や家族など誰か大切な人ともとれるし、自分に対して語りかけているともとれます。「私」は「あなた」にビーチに連れてってと言っていますが、歌詞からすると「今よりももっといい場所」を指しているものと思われます。
 
2. One strike
2016年発表のアルバム、”Red flag” からのファースト・シングルです。アルバムは全英最高3位と好成績でしたが、シングルは最高115位と今ひとつでした。
とはいえ、この曲のサウンドはかなり今の時代に沿っていて、でもオール・セインツっぽさもあって、私はとても好きです。
テーマはズバリ、メンバーのニコール・アップルトンとリアム・ギャラガーの離婚。まぁ自分と結婚してる間にできた隠し子いたらそりゃ一発アウトだわな。
「もうこの家にいたくないの、私は出ていくね。たくさん約束も破られたし、もう潮時だよね。あなたに必要なものは全て私が持ってたのに」
とニコールが穏やかな笑顔で歌います。
しかしながら、ニコール曰くリアムはこの曲を気に入っているそうです。
しかしながら、一番最近の再結成の理由が「バックストリート・ボーイズの全英ツアーに同行するため」というのが泣かせるというか、時代を感じます。ファン層の年代が被るんだろうなぁと。私がまさにその世代なので余計にそう思います。さらにこの年代はすでにいい大人なので一々シングルを追うことはせず、アルバムだけを買うようになっているので、アルバムは売れるけどシングルは売れない……そうして時代は回っていくのですね……。
 
3. Rock steady
2006年、再結成後に発表したシングルで、全英最高3位を記録しています。グレッグ・カースティンの初期のプロデュース作品で、メンバーのシャズネとの共作です。
当時流行っていたレゲエのテイストをふんだんに盛り込んだダンス・ポップ・ミュージックです。
この曲が収録されているアルバム、”Studio 1” は全英最高40位とあまりチャート的には良くありませんでしたが、ゴールドアルバムなので、売上的には悪くなかったのではと思います。息が長かったのかな? 個人的にはこの時代の流行だったレゲエ風味のダンス・ポップに自分達のカラーを落とし込んでいて、統一感があってとても好きです。相変わらずの不思議なハーモニーが魅力的。歌い上げる系のシンガーが一人もいなくて、パワーはないんだけどジワジワ攻めてきます。
 
4. Never ever
グループ唯一のアメリカでもトップ10入りした曲です。売上的にもグループ最高で、イギリス国内だけで135万枚を売り上げました。もちろん全英最高1位、全米でも最高4位を記録しています。デビュー・アルバムの “All saints” からのセカンド・シングルです。もちろんシャズネの作曲です。
オール・セインツの曲の中では一番ソウル・R&B色が強い曲です。教会で聞いても違和感ない感じです。
 
5. All hooked up
ザ・気だるげ! このグループの魅力である気だるさがいかんなく発揮された曲です。アルバム “Saints & sinners” からのサード・シングルです。全英最高7位を記録。
ちょっといかがわしい感じのするこの曲。アイドルが無理してセクシーな感じにしようとしているわけではないところがこのグループのカッコよさだと思います。

以上、オール・セインツの好きな曲トップ5でした!