インターネットにつながるということは、世界中に繋がってるということ。
例え鍵付きのアカウントであっても、SNSにアップした時点でそれは全世界に向けて発信したのと同じこと。そしてその情報は国家権力の監視対象になっている。
監視される側とする側、両方の側面からその恐ろしさを描いたような作品でした。
監視される側の人間としては正直、ここまで行ってるなら(っていうか行っちゃってるんだろうし)もうどうでもいいね。抵抗のしようがないもん。監視されて困るほどの人生でもなし。
しかし人々の生活を監視する側というのは……。病むよね。こっちはそのうちAIに任せられるようになるんだろうか。でもそうするとよくSFに出て来る『犯罪者予備軍を統計によって抽出して何もしてないうちから排除する』ような世界になりそうな気もする。それこそ本当のディストピアですよね。
つまりこの小説は『ディストピアの入り口』が描かれているのか。面白かったけど、読んで明るい気分になる小説ではありませんでした。