さて、ゴティエさんの恨み節ソングは大ヒットしたためたくさんのカバー・バージョンが生まれました。で、ウォーク・オフ・ジ・アースというバンドがユニークな形でカバーして結構話題になりました。たぶんカバーとしてはこれが一番成功したんじゃないかなと思います。それがみんなで1本のギターを弾きつつ歌うというもので、今回訳したザ・キー・オブ・オーサムによるコミック・バージョンはそちらの動画を元に作成されています。完全なる替え歌です。
聞くたびに思うんですけど、ウォーク・オフ・ジ・アースのメンバーよりもキー・オブ・オーサムのメンバーの方が歌上手いよね。
しかし彼らは4年前から動画を投稿していないので、すでに活動してないんでしょうね。初期から活動してたユーチューバーはいなくなってる人多いんだろうなぁ。
LYRICS:
MARK
Now and then we like to play one guitar together
ときどき僕たちは1台のギターをみんなで弾きたくなるんだ
And that's convenient since we only have the one
僕たちはこのギターしか持ってないから都合がいいんだよね
Tony sold our other instruments
他の楽器はトニーが全部売っちゃったんだ
To pay some gangsters but he's still in debt
ギャングへの返済に充てたけどまだ借金まみれ
And if they catch him he will surely be dismembered
もしもギャングに捕まったらトニーは間違いなくバラされるだろうね
Tony is addicted to wide array of narcotics
トニーはありとあらゆるドラッグの中毒なんだ
He claims they help him write but we're a cover band
いい曲が書けるとか言うけど僕たちはカバーバンドだよ
I'm not sure why we keep him in the band
なんで彼をバンドから追い出さないのかよく分かんないけど
Maybe it's because he drives the van
たぶん彼がバンを運転してくれるからかな
The rest of us can only drive an automatic
トニー以外はオートマ限定だから
TODD
This used to just be my guitar
これは前は僕だけのギターだった
Now Dave is banging on it like he's fucking Tito Puente ※①
今はデイヴがティト・プエンテ気取りで叩いてるよ
We look sad because we're starved
僕たちが悲しそうなのはお腹がすいてるから
Tonight for dinner we're splitting a candy bar
きょうの晩ごはんは1本のキャンディーバーをみんなで分けっこだった
We are the poorest band in the world
僕たちは世界一貧乏なバンドだよ
We have to act like we are camping, but we're really homeless
キャンプしてるフリしてるけどホントはホームレスなんだ
I don't even own this voice We had to borrow it from Peter Gabriel
この声だってピーター・ガブリエルからの借りてるしね
Don't you know you gotta shock the monkey ※②
その猿にショックを与えることになるって分かってるのか?
MARK
Climbing up on Salsbury Hill ※③
ソールズベリー・ヒルに登ってるんだ
TODD
Sledge hammer ※④
スレッジ・ハンマー!
DAVE
OOMPA LOOMPA DOPATY DO ※⑤
ウンパ・ルンパ・ドゥパディ・ドゥ!
My feet are cold cus Tony sold my shoes
トニーに靴を売られちゃったから足が冷たいよ
STASIA
I don't think that we should blame our problems all on Tony
私たちの問題をトニー1人に負わせるべきじゃないと思うわ
Tony not the only dead beat in this band
借金があるのはトニーだけじゃないもの
I don't want to name any names
誰とは言いたくないけど
But Derek, Timothy, and Dave
でもね、デレク、ティモシーにデイヴ、
Each have fooled around with me
みんな私と寝てたよね
I threw up this morning and I'm gonna have a band baby
今朝吐いちゃって、どうもバンド・ベイビーが生まれるみたいよ
TODD
You could've mentioned that before
それもっと早く言っとくべきだろ
How can we afford to put a kid through kindergarten.
どうやって幼稚園に行かせてやるんだよ?
MARK
Hey guys where did Tony go
おい、トニーどこ行った?
You all know that Tony can't be left alone
トニーは1人にしちゃいけないって分かってるだろ
TODD
Now he's got the camera
カメラを手にしてるぞ!
and If he sells it then we'll officially have nothing
カメラ売られたらマジで何もなくなるぞ
Theres nothing Tony can't destroy
トニーに壊せないものはない
But none of us knows do the plinky noise
でも僕たちはあの「ピルン!」って音の出し方知らないんだ
EVERYONE
The clinky noise
「ピルン!」って音
TODD
We need Tony
僕たちにはトニーが必要だ
EVERYONE
To do the clinky noise
「ピルン!」って音の為に
TODD
Somebody get Tony
誰かトニーを捕まえて
EVERYONE
He does the clinky noise
「ピルン!」は彼のパートなんだ
TODD
And send us some money
ついでに僕たちにお金を恵んで
EVERYONE
For the clinky noise
「ピルン!」って音の為に
STASIA
My stomach feels funny
ギボヂワルイ!
※①
ティト・プエンテはラテン音楽の大スターです。ティンバレスというドラムの一種を叩いていたのでこういう歌詞になったのかと思います。ただしティト・プエンテご本人は楽器なら結構マルチに演奏できたようです。有名な曲は “Oye como va”です。サンタナがカバーして有名になった曲です。ウィキに「サンタナの曲をやってくれ」って言われるんだというジョークをよく言っていたと書いてありましたが、すみません、私もサンタナの曲だと思ってました。
※②
Don't you know you gotta shock the monkey
その猿にショックを与えることになるって分かってるのか?
これはこの直前に「声を借りてる」として出てきたピーター・ガブリエルの代表曲 “Shock the monkey”の歌詞です。 なんでピーター・ガブリエルが唐突に出て来るのかと言うと、この曲の元歌を歌っているゴティエさんが「ピーター・ガブリエルと声が似ている」と言われているからだと思います。
※③
Climbing up on Salsbury Hill
ソールズベリー・ヒルに登ってるんだ
ここも同じくピーター・ガブリエルの代表曲です。たぶんソロ・デビュー曲。
※④
Sledge hammer
スレッジ・ハンマー!
これもピーター・ガブリエルの代表曲にして恐らく最大のヒット曲。ビルボードでも1位を獲得しています。
※⑤
OOMPA LOOMPA DOPATY DO
ウンパ・ルンパ・ドゥパディ・ドゥ!
そして唐突に入って来るウンパ・ルンパ族の歌……。これはピーター・ガブリエルの曲ではなく、『夢のチョコレート工場』(ジョニー・デップの『チャーリーとチョコレート工場』はこの映画のリメイク)に登場するウンパ・ルンパ族のテーマ曲です。個人的に『夢のチョコレート工場』の中で一番印象に残っているのがこのシーンです。結構怖いんだけどなんかクセになる感じの歌。