ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

『初恋の悪魔』摘木星砂(松岡茉優さん)について

謎の多いキャラですよね。

どうも虐待かネグレクトされて育ったようで、解離性人格障害(多重人格)を発症しています。

親の代わりに育ててくれた祖母が亡くなったことが引き金になって別人格が生まれたのかな。

 

時系列の謎

そして星砂の話には時系列に疑問があります。

スカジャンは「15歳の時に家出して行き倒れかけたときに最初に記憶をなくした」と言ってますが、ヘビ女は「16歳の時に家出をして行き倒れそうになったところをリサに助けてもらった」と言っています。なぜか年齢に1年のズレが……ここがよく分かりません。1年間も1人でフラフラしてたってこと?

でも行き倒れかけたときの2人の記憶は同じ状況に見えます。同じ服装、同じ場所。

 

この辺、脚本が坂元裕二さんなのできちんと意味があってこうなってるんだと思うんですよね。

 

そして「東京に家出をした」という記憶は2人で共有しています。

彼女たちが話してることを総合すると、新しい人格が生まれたというよりかは人格が分岐していったのかな。

 

にしてもなんで1年ズレてるのか分かりません。

 

最低もう一人いるはず

恐らく今いるのがハッキリ分かっているスカジャン星砂とヘビ女以外にも人格がいるはずです。

例えばヘビ女が間庭製作所の住所のメモを持って記憶をなくした場所(どっかの川沿い)とスカジャンがメモを握りしめて目覚めた場所(交差点)は全然違います。

なので2人の間にもう1人いたはず。

 

更にヘビ女によれば彼女が目覚めている時間は結構長くて数か月から年単位のようです。眠ってる時間も数年単位です。

が、スカジャンは「時々記憶がなくなる」「サイフをなくしたり自分が買ったりしないような服や靴を買っている」と言っています。確か第1話でなくした財布はスカジャンが絶対に行かないようなお店で見つかっていて、クローゼットの中にはそんな感じの靴なんかがずらりと並んでいました。スカジャンだけじゃなくてヘビ女の方もそんな風に買い物をたくさんするタイプじゃないと思うんですよね(とはいえ、リサが転売とかそういう仕事をしてたらしいしな……)。

なので恐らくお店でフェミニンな服を買ってるスカジャンでもヘビ女でもない星砂がいると思います。

 

で、それって東京のカラオケで鹿浜(林遣都さん)と会った星砂なんじゃないかなぁと。

なんていうか、ヘビ女とキャラが違うような気がするんですよね。

カラオケ星砂は最初から鹿浜にグイグイヘラヘラ行って割と女を出してる感じで「ワンチャン運命とかあるんじゃないですか?」とか言ってますけど、ヘビ女はそういうことをしなさそうというか……カラオケ星砂よりもずっと控えめな人間に見えます。

それにたぶんカラオケ星砂なら悠日の家で目覚めたときにあんなにコッソリ出ていかないように思います。

あと、ヘビ女はみんなに敬語ですがカラオケ星砂はわりとため口でした。

 

で、メロンソーダ持って「ただいま、おかえり、リサ」と言っているのはヘビ女。

 

でもそれだとなんでヘビ女が鹿浜のことを知ってたのかとか分かんないんだよな~

 

あと、悠日に暴言吐かれた星砂もカラオケ星砂のような気がする。なんとなくですけど。

 

 

実は星砂こそが本物のサイコパスで多重人格を演じてたとかもちらっと考えはしたんですが、坂元裕二さんはそんな安直にサイコパスを出したりはしないと思うんですよね。

すでに多重人格という割と非現実的なカードを一枚切っている上に実はサイコパスでした的なことを加えてどんでん返しとするような人ではないと思う。たぶん。