みんなのうたで大貫妙子さんの『メトロポリタン美術館』がかかっていて、懐かしいなぁなんて思いながら聞いてたんですが
「バイオリンのケース、トランペットのケース、トランク代わりにして出発だ」
の部分を聞いて「あ、この曲って『クローディアの秘密』の歌だったんだ!」と今更ながら気づきました。調べてみたらクローディアがモチーフっていうのは結構有名な話なんですね。
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『クローディアの秘密』はE.L.カニグズバーグというアメリカの小説家が1960年代に書いた児童文学です。私は小学校4年生か5年生の頃に読んで夢中になりました。
12歳のクローディアが家で自分だけお手伝いをさせられて弟たちはなにもしないことに不満を持ち、メトロポリタン美術館に家出しに行くというお話です。バイオリンとトランペットのケースにはお着換えが詰まっています。
家出の軍資金を貯めるためにお手伝い以外にもいろいろ頑張ったり、足りない分はお金持ちで話の分かる弟を引き込んで補填したりと、クローディアはできる女です。そりゃあ女の子だからって理由で自分だけがお手伝いさせられるとか嫌よね。
家出の準備をしているところから美術館での家出生活を始めたあたりまでが特に好きで、こんな家出なら私もやってみたいと思いながら何度も読みました。天蓋付きのベッドで寝たいわ~
出会った年齢もドンピシャだったんですよね。
それであー懐かしいわぁなんて思いながら原作者のカニグズバーグさんについて調べてみたらご本人がそもそも中々すごい経歴の方なのですが(まぁ当然と言えば当然か)、それとは別にこんなHPに行き当たりました。渋谷やみぃさんと言う方のブログです。
ここに書いてあること、全部とにかくすごいんです。ある一人のカニグズバーグファンが日本の翻訳版に疑問を持ち、ついには改訂版の出版にまでこぎつけた経緯が記されています。
たぶん出版社には「あそこは誤訳だ」「あの翻訳はひどい、どうにかしろ」みたいなクレームが毎日のように届いているのだろうと思います(そしてまぁ大概は言いがかりみたいなもんなんだろうと思います)。
それを承知の上で、単なるクレームで終わらせないために尋常ではない労力を使って日米両方の出版社に連絡を入れたそうです。そして最初に反応をくれたのはまさかの相手だった……と、読み物としてとても面白いので、もしも興味のある方は読んでみてください。