ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

野暮な行為とはこのこと

個人的に、映画などに対して「先の展開が読めた」という感想ほど野暮なものはないと思っています。
まぁそりゃあね、読めちゃうこともありますよ。でも映画って、先の展開以外のことを描くものだってあると私は思うんですがね。
 
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』なんかはその典型例で(特に原作小説の方ですが)、あ、映画のタイトルは『裏切りのサーカス』だったか。まあいいや。
とにかくあれは、「モグラを探すサスペンス」の体で話が進みますが、「モグラが誰か」はさほど重要でなかったりします。むしろモグラを追い詰めるまでのプロセスと主人公であるスマイリーの心情などを楽しむものだと思うのですよね。だって原作に書いてあるもん。「本当は最初からわかってた。わかってたけど認めたくなかっただけだ」って。だから読んでいても観ていても、あえてモグラ本人はめちゃくちゃ目立たせてあります。
『交渉人』という、ケヴィン・スペイシーとサミュエル・L・ジャクソンの映画も然り。サミュエル・L・ジャクソンが横領と殺人の濡れ衣を着せられて無実を何とか証明しようとする映画です。これは「ミステリーでは一番怪しいタイプのキャラ」がやっぱり悪いやつなんですが、「誰がハメたか」ではなく、「ハメられたことをどうやって証明するか」がテーマの映画。
 
まぁ、映画の楽しみ方は人それぞれなのでどう観ようといいんですけど!
わざわざ言わなくてもいいんじゃないかなって!
 
ほのぼの系の映画にまで「先の展開ガー!」と文句付けてるレビューを読んでしまって胸糞悪くなったので吐き出しちゃいました。日常系の映画に先が読めるもくそもないだろう。それこそプロセスを観るものなのに……。