ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

エレメンタリー シーズン2 第17話『よみがえり』ネタバレ感想

今回のテーマは「レストラードの自立」でしたね。
事件パートの方も結構凝った作りで面白かったです。

ゴードン・クッシングという男性の元に切り取られた人間の耳が届き、妻のサラを返してほしければ200万ドル払えと脅迫されます。実はゴードン・クッシングの元にサラに関する脅迫が届くのは2度目で、一度目のときからゴードンは「妻を殺して誘拐を自作自演しているのでは?」と疑われているのでした。
警察が検査した結果、送られてきた耳のDNAはサラのDNAと一致。しかも切り取られた
一度目は警察に相談せず単独で動いたせいで痛い目を見たゴードンは、今度はきちんと警察に相談した上で身代金を準備します。妻への気持ちは妻の失踪前から失っていて、今回サラを助けたいのは「もう妻を殺したと世間から疑われるのに疲れたから」。というわけで、ゴードンも必死です。
しかし、身代金の受け渡しで犯人と思しき人物が予想外の動きをしたため、パニックに陥ったゴードンはグレッグソン警部の静止も聞かずに犯人を追いかけ、うっかり殺してしまいます。

この身代金を受け取りに来た男の身元を調べる過程で、シャーロックは外ならぬサラを発見します。しかし、なんとサラには耳がしっかりついていました。
サラは「自主的に家を出たの、名乗り出なかったのは、彼が私を本気で探したら見つけ出すことが分かっていたから。家を出る前の彼の眼には殺意がこもっていたから……」と言います。
ゴードンに届いた耳のDNAとサラのDNAが一致した件に関しては、「私は自分のヘアブラシを持って行った。彼には別に女性がいたみたいだから、彼がその女性のブラシを私のものと勘違いしたのでは?」。というわけで、今度はゴードンの当時の相手を探すことに。

が、結局その女性も3年前に死んでいることが判明し、捜査は振り出しに……。

最終的にサラが形成外科医である現在の夫と共謀して、ゴードンからお金を引き出そうとしていたことが分かります。耳のトリックに関しては、そんなことできるの……? という結構アレな方法で、正真正銘サラのDNAを持つ耳を培養していたのでした。ゴードンもとんでもない女と結婚していたものです。そしてサラのようないわくつきの女と結婚して、あまつさえ脅迫に手を貸すサラの夫もまあとんでもない。

レストラードパートはとても面白かったです。
レストラードがホームズ家に居候を始めてから早19日。自己憐憫に浸ったレストラードはなかなか再出発をしようとしません。
しかもギャンブルで儲けたお金を強盗に取られてしまいます。その時、飲酒をしていることがジョーンにバレ、ジョーンに「強盗を自力で捕まえて、お金をと自信を取り返してここから出て行って!」と言われてしまいます。
ジョーンは同じような被害に遭った人の捜査資料をレストラードに渡します。

一方のシャーロックは「奴が一から自力で解決しないと意味がない。一回落ちるところまで落ちたほうが本人のためだ」と、ジョーンがレストラードの再出発に手を貸すことに否定的です。これなぁ、シャーロックの言うことにも一理あるし、ジョーンのやったことも正直そこまでおせっかいだとも思わないし、バランスの難しい話ですね。

結局レストラードはきちんと事件を解決し、しかも豊かな想像力を働かせてしっかり自信を取り戻し出ていきました。

事件解決について語るレストラードの演説シーンは最高でした。
強盗事件の解決はすべてシャーロックがお膳立てしたものと勘違いしたレストラードは、「自分がそのことに気づいた」ことで自信を取り戻しました。シャーロックはまっっったくこの事件には関わっていないのですが、レストラードの為に話を合わせて「ばれたか。お見事」と言ってあげます。これもシャーロックが「やめた方がいい」と言っていた「手助け」ですが、一番いい方法でできたのではないでしょうか。シャーロックなんだかんだ言って優しいよね。
「手助け問題」に関するこの落とし方はとても良かったと思います。