観るたびに思うのですが、このドラマって犯人の描写が驚くほどにあっさりしています。あんまり犯人の側に焦点が当てられていないというか……シリーズ2だけは物語の性質上そんなこともなかったのですが、これも犯人の正体はなんだかスルンと説明されて終わっちゃいました。まぁ、チャンドラーを観て面白がるドラマだと思うので、別にそれでもいいんでしょうけど。このドラマは人間関係がとにかく面白いです。
最近はこうゆう主人公の造形がが流行ってるんですかね。シャーロックといい、チャンドラーといい、「もしかしたらDTかもしれない人」。シャーロックはたぶん違うけどチャンドラーはそうかもしれないと個人的には思っておりますが、これらの問題がいつかドラマで明かされることを激しく希望!
今回もマイルズの偉大なパパっぷりが存分に発揮されていて、私は至極満足しました。
チャンドラーがシャツを何度か着替えたことにいち早く気づいて、「またピンを数えだしたり電気をつけたり消したりする前触れなら言ってくれよ」ってとことか、マイルズの制止を無視して容疑者に向かっていこうとしたチャンドラーを真剣に叱ったとことか。あんな父ちゃんか上司マジでほしい。
今回でケントのチャンドラーへの気持ちが単なる憧れではない(かもしれない)ことが示唆されましたが、ケントは自覚アリって設定なのかな? それとも自分でもまだ認められていないんでしょうか? あれだけの情報開示だと今度の視聴者の反応次第で変えてくるだろうから、何を考えても邪推止まりですけどねん。でもマイルズもチャンドラーに「あんたが死んだらケントは俺以上に泣くかも」って言ってましたしね。
ずっと犯人だと目されていた人が、ただ映画を観たかっただけ、そして大事なフィルムを信頼できる相手に預けたかっただけ、というのには笑わされました。「じゃあ、帰ろうか」って何事もなかったかのように帰っていく姿がよろし。しかしこのシリーズのオチはとてつもなく気に食わないものでした。あれって確実に警察の手落ちだと思うのですが、普通はあの二人をあんな風に近づけることはないと思うんですがねぇ。だって、何か良くないことが起こるに決まってるじゃん! そのへんがこのドラマのちょっとぬるい部分で、ミステリーの部分のおもしろくなさにも繋がっているような気がします。
このシリーズ3の第三話は、IMDbによるとイギリスで放送されたのが今年の3月5日らしいので、なんと2ヵ月しか間を開けずに日本でも放送されたことになります。WOWOWさん、仕事早い! でもそれってつまり、続編があるかどうかイギリスでもまだよく分かってないくらいなんじゃないですかねぇ……。やっと両想いになれた人(しかもあんな美人)があんなことになっちゃって、チャンドラーはこの先恋愛できるんでしょうか。ケントはどうなっちゃうんでしょうか。バッカンも自分のカウンセラーがいなくなっちゃってどうなるんでしょうか。みんな悲しみのズンドコすぎて、シリーズ4があるとしたらとんでもなく暗い雰囲気で始まりそうですね。話にコミカルな部分があるのがこのドラマの面白さだと思うんだけどな~。