ちょっと節穴 / A little bit blind

ドラマや映画、音楽について書いてます。時々本も。A blog about dramas, movies, and music. Sometimes books.

アカデミー賞ノミネーションを見た感想と希望と予想

長いですが、アカデミー賞の主要部門のノミネーションに関する私の感想というか希望です。

Tracee Ellis Ross and Kumail Nanjiani announce the Oscars 2019 nominations!
OSCAR NOMINATIONS 2019 BY CATEGORY - 91st AWARDS


Best motion picture of the year nominees: (作品賞)

Kevin Feige, Producer 
BLACKkKLANSMAN (ブラック・クランズマン)
Sean McKittrick, Jason Blum, Raymond Mansfield, Jordan Peele and Spike Lee, Producers 
Graham King, Producer 
THE FAVOURITE (女王陛下のお気に入り
Ceci Dempsey, Ed Guiney, Lee Magiday and Yorgos Lanthimos, Producers 
GREEN BOOK (グリーンブック)
Jim Burke, Charles B. Wessler, Brian Currie, Peter Farrelly and Nick Vallelonga, Producers 
ROMA (ROMA / ローマ)
Gabriela Rodríguez and Alfonso Cuarón, Producers 
A STAR IS BORN (アリー / スター誕生)
Bill Gerber, Bradley Cooper and Lynette Howell Taylor, Producers 
VICE (バイス
Dede Gardner, Jeremy Kleiner, Adam McKay and Kevin Messick, Producers 

一応全部に邦題がついているので、日本公開された(もしくはされる)のですね。
作品として強いのは『ROMA / ローマ』と『ボヘミアン・ラプソディ』の2本かなと思います。『ボヘミアン・ラプソディ』は観に行ったし、いい映画だと思いますが、これが受賞したら面白くないんだよね。アルフォンソ・クアロン映画はオスカーの常連過ぎてこれも受賞しちゃったらつまんないし。
私は『グリーンブック』推しです。ゴールデン・グローブ賞のミュージカル / コメディ部門を制したし、『メリーに首ったけ』や『ジム・キャリーはMr.ダマー』などのお下劣コメディが売りのピーター・ファレリーの映画がオスカーにノミネートされるとか興奮せずにはいられませんよ! たぶんこういう「権威ある」賞に絡んだのは初めてじゃないかなぁ。獲ってほしいなぁ。
じゃなきゃ『ブラックパンサー』がいいなぁ。そろそろアメコミヒーローの映画にオスカーあげてもいいじゃん。
あーでも、スパイク・リーの映画もそろそろ何か獲ってもいいんじゃないかなぁ。『ブラック・クランズマン』はマジでヤバそうな映画だよ!
バイス』も普段はコメディばっかり撮ってるアダム・マッケイの作品だけど、どうもコメディ感は封印している模様です。それよりも邦題が『バイス』で伝わるのかしら。『副大統領』のほうがまだ伝わるのではないかと思いますな。
『クレイジー、リッチ』はノミネートされなかったのか。残念だな。


Adapted screenplay nominees: (脚色賞)

THE BALLAD OF BUSTER SCRUGGS (バスターのバラード)
Written by Joel Coen & Ethan Coen (コーエン兄弟

BLACKkKLANSMAN (ブラック・クランズマン)
Written by Charlie Wachtel & David Rabinowitz and Kevin Willmott & Spike Lee 

CAN YOU EVER FORGIVE ME? (日本公開・邦題未定)
Screenplay by Nicole Holofcener and Jeff Whitty 

IF BEALE STREET COULD TALK (ビール・ストリートの恋人たち)
Written for the screen by Barry Jenkins 

A STAR IS BORN(アリー / スター誕生) 
Screenplay by Eric Roth and Bradley Cooper & Will Fetters 

ここは私が持ってる情報がなさ過ぎてどれが強そうかとかもまったく分からないのですが、ゴールデン・グローブ賞脚本賞と脚色賞に分かれてないし……。ここからはゴールデンン・グローブでは『ビール・ストリートの恋人たち』のみがノミネートされています。


Original screenplay nominees: (脚本賞

THE FAVOURITE (女王陛下のお気に入り
Written by Deborah Davis and Tony McNamara 

FIRST REFORMED (魂のゆくえ)
Written by Paul Schrader 

GREEN BOOK (グリーンブック)
Written by Nick Vallelonga, Brian Currie, Peter Farrelly 

ROMA (ROMA / ローマ)
Written by Alfonso Cuarón 

VICE (バイス
Written by Adam McKay

ゴールデン・グローブでは『ROMA / ローマ』を押さえて『グリーンブック』が受賞しています。もちろん応援していますが、ここでいきなり『魂のゆくえ』が攫って行ったりする展開も大好きです。


Achievement in directing nominees: (監督賞)

BLACKkKLANSMAN (ブラック・クランズマン)
Spike Lee (スパイク・リー

COLD WAR (COLD WAR あの歌、2つの心)
Paweł Pawlikowski (パヴェル・パヴリコフスキ)

THE FAVOURITE (女王陛下のお気に入り
Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス

ROMA (ROMA / ローマ)
Alfonso Cuarón (アルフォンソ・クアロン)

VICE (バイス
Adam McKay (アダム・マッケイ)

実は初ノミネートのスパイク・リー。個人的にはスパイク・リーに獲ってほしいけど、パヴェル・パヴリコフスキ(ポーランド人)やヨルゴス・アンティモス(ギリシャ人)などのあまりメジャーではない国の監督が獲るのもいいなぁと思います。
ピーター・ファレリーがノミネートされてないのが残念だなぁ。


Performance by an actor in a leading role nominees: (主演男優賞)

Christian Bale in VICE (クリスチャン・ベール  『バイス』)

Bradley Cooper in A STAR IS BORN (ブラッドリー・クーパー  『アリー / スター誕生』)

Willem Dafoe in AT ETERNITY'S GATE (ウィレム・デフォー  『永遠の門 ゴッホの見た未来』)


Viggo Mortensen in GREEN BOOK (ヴィゴ・モーテンセン  『グリーンブック』)

私はヴィゴ・モーテンセン一押しなのですが!
実際はラミ・マレッククリスチャン・ベールの一騎打ちかな。それならラミ・マレックがいいなぁ。あ、ウィレム・デフォーでもいいよ。理由は私が好きだから。でも獲れないだろうなぁ……。
ブラッドリー・クーパーはいつか獲れるからもうちょっと待ってて!


Performance by an actor in a supporting role nominees: (助演男優賞

Mahershala Ali in GREEN BOOK (マハーシャラ・アリ 『グリーンブック』)

Adam Driver in BLACKkKLANSMAN (アダム・ドライバー 『ブラック・クランズマン』)

Sam Elliott in A STAR IS BORN (サム・エリオット 『アリー / スター誕生』)

Richard E. Grant in CAN YOU EVER FORGIVE ME? (リチャード・E・グラント “CAN YOU EVER FORGIVE ME?”)


ウィズネイル(リチャード・E・グラント)が来たやで! ここは私はウィズネイルを応援するしかないやろ! しかも初ノミネートじゃ!
サプライズノミニーらしいのがサム・エリオット。獲れたら嬉しいだろうなぁ。
アダム・ドライバーくんは結構難しい役だよね。若手に賞が行くのもいいよなぁ。
マハーシャラ・アリサム・ロックウェルは二人とも最近獲ったばっかだからちょっと我慢して! でもマハーシャラ・アリが獲りそうな気がするよ!


Performance by an actress in a leading role nominees: (主演女優賞)

Yalitza Aparicio in ROMA (ヤリッツァ・アパリシオ 『ROMA / ローマ』)

Glenn Close in THE WIFE (グレン・クローズ 『天才作家の妻 -40年目の真実-』)


Lady Gaga in A STAR IS BORN (レディー・ガガ 『アリー / スター誕生』)

Melissa McCarthy in CAN YOU EVER FORGIVE ME? (メリッサ・マッカーシー “CAN YOU EVER FORGIVE ME?”)

個人的にはもうそろそろグレン・クローズに主演女優賞を! と思っています。大げさではない演技でとても素敵な女優さんです。ゴールデン・グローブでもドラマ部門の主演女優賞を獲得していますし、今年はいけるんじゃないかな。対抗馬はやはりゴールデン・グローブでミュージカル・コメディ部門を制したオリヴィア・コールマンでしょうね。
個人的にはオリヴィア・コールマンも好きな女優さんなので(どんな役でもこなせるタイプ)、どっちが獲ってもいいと思いますが、やっぱグレン・クローズだな!

ヤリッツァ・アパリシオが受賞したらドラマ性あるよな~とか、ガガちゃん大復活の証としてオスカー受賞っていうのもドラマ性あるよな~とか、メリッサ・マッカーシーは個人的に好きなのよね、とか色々ありますけど。


Performance by an actress in a supporting role nominees: (助演女優賞

Amy Adams in VICE (エイミー・アダムス 『バイス』)

Marina de Tavira in ROMA (マリナ・デ・タビラ 『ROMA / ローマ』)

Regina King in IF BEALE STREET COULD TALKレジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』)

Emma Stone in THE FAVOURITE (エマ・ストーン 『女王陛下のお気に入り』)

Rachel Weisz in THE FAVOURITE (レイチェル・ワイズ 『女王陛下のお気に入り』)

みんな、エイミー・アダムスにそろそろ賞をあげようよ……と思いますが、まぁ彼女はいつか獲れるだろうしなぁ。
ゴールデン・グローブを受賞したのは『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キング。彼女も好きな女優さんだから、獲ってくれたら嬉しいなぁ。
マリナ・デ・タビラさんのサプライズ受賞もよくってよ。エマ・ストーンレイチェル・ワイズも好きだけど、もうオスカー持ってるんだから今回は我慢して下せぇ!


Best animated feature film of the year nominees: (長編アニメ映画賞)

Brad Bird, John Walker and Nicole Paradis Grindle 

ISLE OF DOGS (犬ヶ島
Wes Anderson, Scott Rudin, Steven Rales and Jeremy Dawson 

MIRAI (未来のミライ
Mamoru Hosoda and Yuichiro Saito 

RALPH BREAKS THE INTERNET (シュガーラッシュ:オンライン)
Rich Moore, Phil Johnston and Clark Spencer 

SPIDER-MAN: INTO THE SPIDER-VERSE (スパイダーマン:スパイダー・バース)
Bob Persichetti, Peter Ramsey, Rodney Rothman, Phil Lord and Christopher Miller 

未来のミライ』が受賞したら嬉しいけど、興行収入等から判断すると『インクレディブル・ファミリー』か『シュガーラッシュ:オンライン』だろうなぁ。
個人的には『犬ヶ島』もいいけど! ウェス・アンダーソン好き!


Best foreign language film of the year nominees: (外国語映画賞

CAPERNAUM (日本公開・邦題未定)
Lebanon (レバノン代表)
Directed by Nadine Labaki(ナディーン・ラバキー) 

COLD WAR (COLD WAR あの歌、2つの心)
Poland (ポ-ランド代表)
Directed by Paweł Pawlikowski (パヴェル・パヴリコフスキ)

NEVER LOOK AWAY (日本公開・邦題未定)
Germany (ドイツ代表)
Directed by Florian Henckel von Donnersmarck (フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

ROMA (ROMA / ローマ)
Mexico (メキシコ代表)
Directed by Alfonso Cuarón (アルフォンソ・クアロン)

SHOPLIFTERS (万引き家族
Japan (日本代表)
Directed by Hirokazu Kore-eda是枝裕和

万引き家族』受賞してほしいなぁ。
でもこの部門、層が厚いんだよ。『ROMA / ローマ』は作品賞にもノミネートされてるけど、あっちで別の映画に獲らせてこっち獲らせる可能性もあるし、『COLD WAR あの歌、2つの心』は『万引き家族』とパルム・ドールを争った作品で、アメリカではこっちのほうが興行収入的に成功してるし監督賞にもノミネートされてるし。
レバノン代表も同じくカンヌでパルム・ドールにノミネートされてるし、しかも中東の女性が監督の映画って中々アピールポイント大きいですよね。
さらにはドイツ代表の “NEVER LOOK AWAY” は『善き人のためのソナタ』(←マジで名作なのでみんな観て!)で2007年にアカデミー外国語映画賞を獲得しているフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督の作品。
万引き家族』の受賞はもしかしたら難しいかもしれません。受賞してほしいけど! どれが受賞しても納得しかないんだよね!


Achievement in music written for motion pictures (Original score) nominees: (作曲賞)

BLACK PANTHER 
Ludwig Goransson (ルドヴィグ・ゴランソン)

BLACKkKLANSMAN 

IF BEALE STREET COULD TALK 
Nicholas Britell (ニコラス・ブリッテル)

ISLE OF DOGS 
Alexandre Desplat (アレクサンダー・デスプラ)

MARY POPPINS RETURNS 
Marc Shaiman (マーク・シャイマン)

これは個人的にはルドヴィグ・ゴランソン推しです。去年世界中で大問題となったチャイルディッシュ・ガンビーノの “This is America” の共同制作者です。てゆうか、チャイルディッシュ・ガンビーノの作品は大体この人との共同制作です。応援する理由はそれだけです。好きなミュージシャンだから。


Achievement in music written for motion pictures (Original song) nominees: (楽曲賞)

"All The Stars" from BLACK PANTHER 
Music by Mark Spears, Kendrick Lamar Duckworth and Anthony Tiffith 
Lyric by Kendrick Lamar Duckworth, Anthony Tiffith and Solana Rowe 

"I'll Fight" from RBG 
Music and Lyric by Diane Warren 

"The Place Where Lost Things Go" from MARY POPPINS RETURNS 
Music by Marc Shaiman 
Lyric by Scott Wittman and Marc Shaiman 

"Shallow" from A STAR IS BORN 
Music and Lyric by Lady Gaga, Mark Ronson, Anthony Rossomando and Andrew Wyatt 

"When A Cowboy Trades His Spurs For Wings" from THE BALLAD OF BUSTER SCRUGGS 
Music and Lyric by David Rawlings and Gillian Welch 

ここはたぶん『アリー / スター誕生』の “Shallow” が受賞するんじゃないかなぁ。
『バスターのバラード』の  “When a cowboy trades his spurs for wings” あたりが受賞したら楽しいですけどね!