今回は炭疽菌テロのお話でした。
スリの現行犯で逮捕されたマーサーという男が、拘留されていた警察署内で突然苦しみだして倒れます。
偶然署にいたジョーンが診察するのですが、マーサーはすでに死んでおり、しかも死因は炭疽菌に感染したことが原因でした。
とりあえず他には誰も感染していませんでしたが、マーサーはどうやって炭疽菌に触れてしまったのか?
ということで捜査が始まりました。
解剖の結果、炭疽菌が入った袋を飲み込んでいたことが判明。
恐らくスリをしていて白い粉の入った袋を手に入れ、麻薬だと思っていったん飲み込んだのだろうということに。監視カメラの映像から炭疽菌のそもそもの持ち主・サイモンを見つけ出し彼のラボへ突入しますが、サイモンもすでに殺されていました。しかしラボに残された証拠から、培養された炭疽菌は20キロ、50万人に感染されられる量であることが判明。
しかし組織のアジトには炭疽菌はありませんでした。正確に言うと、ユージーンが炭疽菌だと偽ってコーンスターチを組織に納品していたのです。しかもどうもユージーンはずいぶん前に組織を抜けていたらしいことが判明します。
その上結局ユージーンも兄・バートに射殺されてしまいます。
結局兄弟による保険金詐欺計画で、お金を独り占めしたくなった兄が弟も殺しちゃいましたよ、というお話でした。
事件の外では、悲しいニュースがシャーロックを襲います。シャーロックの数少ない友人であり、訛り習得の先生でもあるアリステアが突然死してしまいます。
大事な友人の死に向き合うことになり、シャーロックは少し様子がおかしくなります。
しかもアリステアの死因がヘロインのオーバードーズであったことがよりシャーロックを不安定にし、危険な行動に走らせたりもしました。
アリステアは30年前にヘロイン中毒を克服したそうですが、それでも何かの瞬間にふとやりたい衝動に駆られるんでしょうね。恐ろしい。
しかもアリステアは現在のパートナーのイアンと一緒になってからずっと幸せそうで、久しぶりに役者の仕事も決まっていて、私生活は充実していたはずなのです。だからこそシャーロックはアリステアの再発が納得できず、アリステアが息子と会ったことが関係しているのではないかと疑います(アリステアは奥さんを捨てた過去があり、息子はそのことを恨んでいる模様。まぁ当然だわな)。実際、アリステアが亡くなったのは息子と食事をした日でした。
順風満帆な人生、でも心に引っ掛かるものがあって、息子と会ったことで何かが刺激されることはあり得ますから。
でもこれ、息子もすごく可哀想ですよね。父親に捨てられた挙句に自分と食事した日に過剰摂取で死亡って……。
やっぱりドラッグやアルコールは本人だけじゃなくて周りの人間も不幸にしますね。
シャーロックがアリステアのお墓に話しかけるシーンはとても素敵でした。
“Came here today because, because I loved you very much.”
って、以前のシャーロックなら絶対に言わないようなセリフよ。
でもこれ、お墓の前じゃなくて、やっぱり生きてる本人に伝えたい言葉だよね。シャーロック、頑張ってジョーンやマーカスやグレッグソン警部にはちゃんと伝えるのだよ。
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